今回ご紹介するのは、「レコード、音楽ファイル、録画済みビデオディスク等」の商品について「LADY GAGA」の商標登録を認めないとした特許庁の審決が、知財高裁でも支持された事件です(平成25年(行ケ)第10158号 審決取消請求事件)。
ここで問題となったのは、「レコード、音楽ファイル、録画済みビデオディスク等」の商品に「LADY GAGA」を使用した場合、それが商標として機能するかどうか、という点です。
裁判所は、
「LADY GAGA」は、アメリカ出身の女性歌手として日本を含め世界的に広く知られており、「LADY GAGA」という文字に接する者は、「LADY GAGA」という歌手名を表示したものと容易に認識することが認められる。
そうすると、本願商標を「レコード等」に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その商品の収録曲を歌唱する者等を表示したもの、すなわち、その商品の品質(内容)を表示したものと認識するから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。
と判断しました。
つまり、
CDに「LADY GAGA」と書いてあると、消費者はまず「LADY GAGA」が歌っている曲が収録されているCDだ(内容表示)と思うのが普通で、「LADY GAGA」というレーベルから出されたCDだ(出所表示)とは思わない。そういうのは商標として機能するとはいえないから登録できない、との判断です。
レディー・ガガ側は、
会社名又はレーベル名として「LADY GAGA」を使用する可能性があるにもかかわらず、今現在その使用事実がないからといって、その可能性が将来もないと決めつけた上で判断した審決は誤りである等主張しましたが、認められませんでした。
ちなみに、「LADY GAGA」は、化粧品、電子出版物、アクセサリー、印刷物、バッグ、服、ファンクラブの運営・管理、ウェブサイトを通じて行う画像・映像・音声及び音楽の提供、おもちゃ等の分野では、登録が認められています(登録第5405058号、5577932号)。
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