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他人の氏名を含む商標

  • by ライトハウス国際特許事務所 / 2017.02.16
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他人の氏名を含む商標は、その他人の承諾を得ていないと商標登録できないって知っていましたか?

今回は、「山岸一雄大勝軒」、「山岸一雄」という商標の登録が認められなかった事件を
ご紹介いたます(平成28年(行ケ)第10065、10066号 審決取消請求事件)。

これらの商標を出願したのは、株式会社大勝軒。特許庁の審査、審判において登録が認められなかったため、
これを不服として知財高裁で争いましたが、知財高裁でも、商標登録は認められませんでした。

登録が認められなかった理由は、商標法4条1項8号に該当するというもの。

商標法4条1項8号では、
『他人の氏名を含む商標は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録できない』、
と規定されています。

これは、自らの承諾なしにその氏名、名称等を商標に使われることがない、という、
人や法人の氏名、名称等に対する人格的利益を保護するために設けられているものです
(人格権を保護するためのものですので、この「他人」は、現存する者に限られるとされています)。

株式会社大勝軒は、大勝軒の創業者として知られている山岸一雄氏の承諾のもと、
商標出願を行ったようですが、NTT東日本、西日本作成の「ハローページ」での記載を根拠に、
山岸一雄という氏名を持つものが、全国に複数生存しており、その承諾は得ていない、
として、商標法4条1項8号に該当すると判断されました。

商標法4条1項8号で登録できないとされているのは、他人の氏名だけではありません。

  • 他人の肖像、
  • 名称、
  • 著名な雅号(画家、書家などが本名以外につける名)、
  • 著名な芸名、
  • 著名な筆名(ペンネーム)、
  • 又はこれらの著名な略称を含む商標

は、その他人の承諾を得ているものを除き、商標登録できないとされています。

例えば、「HILTON’S」のように、有名な会社名の略称を含むような商標も、
この規定により、商標登録できないと判断される可能性があります。

また、自社の商号を商標出願した場合でも、同じ商号の法人が全国に複数ある場合は、
この規定により、商標登録できないとされる可能性がありますので、注意が必要です。

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