今回は、商標が似ているかどうかについて争われた事件についてご紹介します。
<例1>
(引用商標)[平成26年(行ケ)第10122号]
(引用商標)[平成26年(行ケ)第10122号]
<例2>
(引用商標) [平成26年(行ケ)第10094号]
(引用商標) [平成26年(行ケ)第10094号]
上記の例は、本願商標(左)が、特許庁における審判で、引用商標(右)に似ているため登録できないと判断されたため、それを不服として知財高裁に訴えましたが、知財高裁でも商標が似ていると判断された例です。
例1のケースでは、本願商標は、引用商標に比べ、「SOLUTIONS」の文字と図形の有無の違いが
ありますが、判決では、引用商標の中で最も強く看者(看る人)の注意を引く部分は「VIA」
であるため、「VIA」と表した本願商標は、引用商標に似ていると判断されました。
例2のケースでは、本願商標は、引用商標と比べると、「P」の文字に特徴がある点、
中央に「ICED」の文字がある点、文字全体が黒色の影が付いた灰色の図形の中に
表されている点等の違いがありますが、
判決では、本願商標に接する取引者、需要者は、外観上、強く看者(看る人)の注意を引く
「PEACECOFFEE」又は「PEACE」の部分を商標として認識するため、
引用商標に似ていると判断されました。
商標が似ているかどうかは、商標の有する外観(見た目)、称呼(読み方)、観念(意味合い)の
それぞれの判断要素を総合的に考察して判断されます。
似たような商標が登録されている場合、見た目を変えれば大丈夫なのでは?と思われがちですが、
「看者の注意を引く部分」が共通する場合は、似ていると判断される可能性が高い点に注意が必要です。