商標登録の基礎知識
ビルやマンションなど建物の名称について商標登録は必要か?
指定商品を「不動産」にして商標出願しても、商標登録は認められない
ビル名やマンション名など、建物の名称について、商標登録は必要でしょうか。
商標制度は、商品やサービスなどを繰り返して提供するような場合に、その商品やサービスに使用する商標の信用力を保護しようとするものです。
不動産は、同じ企業から繰り返し提供される商品やサービスとは異なるので商標登録の対象にはならないと考えられています。
ですから、指定商品を「不動産」にして商標出願をしたとしても、商標登録は認められません。
会社名が入ったロゴを商標登録しないと商標権侵害になるリスクがある?
ただし、ビル名やマンション名などの建物の名称がまったく商標登録されていないか? というと、そうでもありません。
「六本木ヒルズ」(商標登録第4444643号)は、
第36類
建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,
建物の売買の代理又は媒介・・・
などで、不動産そのものではありませんが、建物の取引に関連するサービスを指定役務にして商標登録をしています。
「赤坂サカス」(商標登録第5357654号)は、
第36類以外にも、
第35類
○○○の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第43類
茶・コーヒー・ココア・清涼飲料を主とする飲食物の提供
ポルトガル料理を主とする飲食物の提供・・・
第45類
婚礼・結婚式場・披露宴会場に関する情報の提供,宴会・会食のための施設の提供
なども指定役務に含まれています。
赤坂サカスでは、ショッピングもできますし、食事をすることもできます。
また、赤坂サカス内にある施設で、結婚式をすることもできます。
これらのサービスを想定して、第35類、第43類、第45類なども指定して、商標登録をしているようです。
商標登録は「転ばぬ先の杖」
マンション名についての商標登録の例としては、
「PROUD」(商標登録第5065990)は、
第36類以外にも、
第16類
印刷物
第37類
建築設備の運転・点検・整備,火災報知機の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,照明用器具の修理又は保守,配電用又は制御用の機械器具の修理又は保守,洗濯,被服のプレス,被服の修理,布団綿の打直し,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。),床洗浄機の貸与,モップの貸与,洗車機の貸与,電気洗濯機の貸与,衣類乾燥機の貸与,衣類脱水機の貸与,家庭用ルームクーラーの貸与,暖冷房装置の貸与
なども指定役務に含まれています。
おそらくですが、第16類の印刷物は、会報誌を想定したもの、第37類は、マンションの維持、管理業務を想定したものではないかと思われます。
このように、ビルやマンションなどの建物の名称は、「不動産」を指定商品として商標登録をすることはできませんが、建物の取引や管理、その建物で提供される商品やサービスを想定して商標登録することで、ビルやマンションのブランド価値を保護することができます。
初めての商標登録でご不安な方も、
弊所の経験豊富な専門家が最後までサポート致します
こんなことで迷ったら、
まずはお気軽にご相談ください
- 商標登録のメリットがわからない
- 商標登録って、すんなり許可されるの?
- 費用って、どれくらいかかるの?
受付時間:
平日9:00〜18:00
まずはお気軽にご相談ください